建築音響設計のポイント
ここでは建築音響設計のポイントについて解説しています。
室内音響設計
室内音響設計でポイントとなるのは残響時間の設定です。
残響時間とは「響きの長さ」のことであり、最適残響時間は室の大きさによって変わります。
空間が大きくなると、推奨残響時間は長くなります。
1000人規模の空間での推奨値は、約1.3~1.8秒と言われています。
しかし残響時間は聴く人の感覚や好みによって
どのくらいの響きの長さが良いかが異なり、
「この長さが絶対」という値がありません。
また、同じホール空間でもどの場所、どの席で聴くかによって
残響時間は変わってきます。
多目的に使うホールの場合、クラシック音楽のためには残響は長いほうが良いのですが、
スピーチの明瞭度のためにはあまり長くないほうが良いため、
工夫が必要になります。
これは舞台音響設備によって補うことが可能であり、
ここで建築音響設計と電気音響設計の連携が重要となります。
遮騒音防止設計
騒音防止のための遮音設計のポイントとしては、
まず音源側がどのくらいの大きさの音を出し、
受音側でどのくらいの静けさを必要としているのかを把握することが必要です。
遮音のためには、空気音(人の声や楽器の音等)と、
固体音(人の足音や空調機械の振動等)が伝わらないような設計をします。
そのための方法として、重たい材料で空間を隙間なく囲う、
床・壁・天井を躯体から縁を切った構造にする等があります。