国土交通省の3つのルート以外で現行法に適合させる方法について
ホールの客席天井の場合、国土交通省の3つのルートによって現行法に適合させるよう
改修するのは難しいという問題があります。
(※詳しくは「国土交通省の3つのルート」のページをご覧下さい)。
しかし、この特定天井技術基準の逐条解説の中で、剛天井と同等にするという方法があります。
その方法とは、既設天井を補強して準構造直張りと同等の性能となるようにする、
というものです。
吊天井を準構造直張りと同等の性能とするためには、天井下地部材を補強でガッチリと
固める必要があります。そして、その補強の設計については、
審査機関で任意評定を受けて、準構造直張りと同等であるという性能評価書を取得します。
準構造直張りと同等になれば、特定天井の中の剛天井となり、既存不適格は解消されます。
既設補強での改修を推奨する理由
既設補強での改修を行うためには、工事の前に既設の天井裏の詳細な調査と、耐震化の
ための補強設計と、任意評定委員会対応などの業務が必要となりますが、それらの費用を
差し引いても張り替えに比べて経済効果は十分にあり、また大量の廃棄物を出すことも
ありません。工期も張り替えより短くでき、ホールの音響性能もほぼ変わることはありません。
弊社ではホール専門の設計事務所として多くの自治体様からホールの天井改修についての
ご相談を頂く機会があり、客席天井を張り替えずに既設補強で現行法に適合させることを
研究して参りました。
ホールの客席天井については、張り替えではなく既設補強での改修を検討することを
推奨しております。