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張り替えと既設補強について

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張り替えと既設補強について

 
東日本大震災において多くのホールの天井が脱落したことを契機として、国土交通省が
平成26年に天井に関する法律を改正しました。この法律改正によってほとんどの
ホールの客席天井は既存不適格となっている状況です。

改修の方法は「張り替え」と「既設補強」がある

ホールの客席天井を改修して現行法に適合させるには、天井を全て撤去して張り替える
方法と、既設天井をそのまま補強して耐震化する方法があります。

現在、ホールの天井改修工事でよく用いられる方法は、既設の天井を全て撤去して
張り替える方法です。既設天井を撤去した後、新たに準構造材の鉄骨下地を掛けて
そこに天井材を直張りします。準構造材に直張りすれば、吊天井ではないため、
特定天井の新基準の対象ではなくなり、既存不適格は解消します。しかし、この撤去
張り替えは工事費が高く工期も長くなり、大量の廃棄物が出ます。また、新しく
張り替えるためホールの音響性能が変わってしまう可能性もあります。

このようなデメリットがあるにも関わらず、張り替えが多く採用されているのは、
一般的に、既設補強で改修するのは設計も施工も大変であり、張り替えの方が計画
しやすい、とされているためと思われます。また、補強することはできても現行法に
適合させるのは難しい、とされていることもあります。

既設補強のメリット

 
一方、既設補強は、既設天井を撤去せずそのまま活かして下地を補強する方法です。
既設補強でも現行法に適合させることは可能であり、しかも張り替えよりもメリットが
あります。

既設補強で現行法に適合させる方法は、既設天井下地を補強することにより準構造
直張り天井と同等の耐震性能を持つようにし、審査機関で任意評定を受けて性能
評価書を取得するというものです。準構造直張りと同等になると吊天井ではなくなり、
吊天井でなくなれば特定天井には該当しません。そのため現行法の対象外となり、
既存不適格を解消することになります。

既設補強は、既設天井を撤去することはありません。そのため工事費と工期が
張り替えに比べて少なくなり、大量の廃棄物も出ません。また、ホールの音響性能も
ほぼ変わることはありません。

但し、既設補強を採用するには、工事の前に天井の詳細な調査と、耐震化のための
補強設計と、任意評定委員会対応などの業務が必要となりますが、それらの費用を
差し引いて経済効果は十分にあります。

既設補強での天井改修を推奨する理由

TEL 03-5695-9303 9:00~17:30(月曜~金曜)

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